この記事は、コロナ禍以前(2018年10月)に、アメリカからメキシコに陸路(車)で入国した経験をもとに書いています。
現在は、コロナ禍を経て、入国の条件や必要書類が変更になっているのでご注意ください。
陸路でアメリカからメキシコへ|通過した国境
テキサス州にあるLaredoという街からアメリカを出国し、メキシコに入国しました。
アメリカからメキシコに向けて国境越えをする際、いくつか選択肢がある中で、このポイントを選んだ理由としては
- なるべく治安のいい地域で国境越えをしたかった
- 道路事情のよりよいアメリカ側で、移動距離を稼ぎたかった
からです。
2018年10月当時、数千人規模の移民キャラバンが、中米からアメリカを目指して北上しており、情勢が不安定な地域がいくつかありました。現地で最新情報を集め続け、比較的安全に国境越えができるのでは、と判断したのがLaredoでした。
また、アメリカ大陸を北から南に長距離移動する中で、道路事情(道路のクオリティ・設備・治安)のいいエリアで、なるべく距離を稼ぎたかったのです。未舗装の道路を運転する時間が増えると、運転にもより神経を使うし、車自体も傷みやすくなります。
上のGoogle Mapsを見ると、Laredoまで南下してから国境越えすると、アメリカ側でだいぶ距離を稼げることがわかります。
アメリカ出国からメキシコ入国までの流れ|必要書類・費用・保険
1. アメリカ出国
アメリカに車で入国するときのような大量の質問も、緊張感もまったくなく、あっさり出国手続きが完了しました。
2. アメリカ-メキシコ間の橋をわたる
通行料:3.5ドル
もらったレシートに “Thank you, Gracias”と書いてあって、スペイン語圏に入ることを実感しました。
3. 車の内部チェック
ゲートに設置してあるカメラで、車の外側から写真を撮られました。
そのあとスタッフが出てきて、車の内部をライトで照らしながら、簡単にチェックされました。カバンの中などの細かいチェックはありませんでした。
4. メキシコ入国
人の入国手続き
少し離れたCIITEV(連邦政府庁舎)に移動し、駐車場に車を停めます。
オフィスの中に移動し、メキシコ入国の手続きをします。
ここはアメリカとの国境ですが、英語を話すスタッフはほとんどいません。基本的に、スペイン語で話しかけられます。警備員たちは、こちらから見えるように銃を持っていますが、本人たちは談笑していて、緊張感や怖い雰囲気はまったくありませんでした。
入国審査のオフィスは全然混雑していませんでした。
氏名、国籍、生年月日、パスポート番号、渡航の目的などを書類に記入し、ひとりあたり533メキシコペソ(2018年10月時点, 当時のレートで約3,000円)を支払いました。
オフィスのいたるところに
“A partir del 01 de Euero de 2018 $533.00” と掲示されています。最初、米ドル表記かと勘違いして、その金額の高さにびっくりしましたが、実際にはメキシコペソ表記でした。
この533メキシコペソという金額は、メキシコ滞在が7日を超える場合に徴収されます。入国時の国境で「7日以下」と伝えるも、結果的に7日を超える滞在になった場合は、出国時の国境で徴収されます。なお、空路入国の場合は、航空券にこの金額が含まれるので、別途支払いの必要はありません。
ここで受け取る書類は、メキシコ出国まで失くさず持っておく必要があります。書類に記入された数字を確認すると、許可されたメキシコ滞在期間は180日でした。
わたしが実際に、メキシコ国内でこの書類を提示する必要があったのは
- 路上検問時
- メキシコ国内の空港利用時(メキシコシティからキューバに往復旅行した)
- メキシコ出国時(メキシコ→グアテマラの陸路国境)
でした。

車の保険加入
車の手続きをするカウンターに向かう途中、車の保険会社(複数)が小さなオフィスをかまえていて、「保険に入らないか」と声をかけてきます。
わたしは、入国の前日、ウェブ上で加入を済ませていたので、「もう入っている」と伝えました。個人的に、スペイン語で保険の契約をするのはハードルが高いので、英語で対応できるウェブ契約を選んでよかったです。
利用した保険会社は、Lewis and Lewisです。最後まで比較検討したBaja bound insuranceに関するメモとともに、記録を残しておきます。
Lewis and Lewis
- 30日間メキシコ全土カバーで126ドル
- 地域限定だとさらに20ドルほど安くできる
- 事故の際の保証額は最大500,000ドル
- 追加料金を支払うことでさらなる保証をつけることができる
- 電話担当の人は「たいていの事故は、ベーシックプランでカバーできる。追加料金は要らないのでは。」と
Baja bound insurance
- 1ヶ月単位のプランはなし
- プランの期間としては、1日単位か、6ヶ月単位か、1年単位か
- 1日のプランを30日間契約すると159ドル
- 6ヶ月のプランで170ドル
- 事故の際の保証は、相手の怪我、相手の車の損傷に対してのみ
わたしは1ヶ月ほどメキシコを車で旅する予定だったので、30日分の契約金額がより安いLewis and Lewisに加入することにしました。
Lewis and Lewisのウェブサイトで必要事項を記入し、クレジットカードで保険料を支払いました。そのあと契約完了のメールを受信しました。
国境や検問、万が一の事故のため、契約内容をすぐ提示できれば便利だと考え、念のためメールの内容を印刷しておきました。ちなみに、国境のオフィスでは、車の保険に加入しているかどうかについては、なにも聞かれませんでした。
Lewis and LewisもBaja bound insuranceも、電話対応がとても丁寧で、わからないことを気軽に質問できるのがよかったです。どちらも英語対応可能でした。
オフィスの営業時間や、保険の保証期間は、すべてPacific Standard Time (PST)とのことでした。
車の入国手続き
まず、車の入国手続きに必要な書類のコピーをとられます。
- パスポート
- 国際免許証
- 自動車登録証(検査証)
コピー代は米ドルでもメキシコペソでも支払い可能です。ただし、支払いは現金のみで、クレジットカードは使用不可でした。
自家用車(普通車)をメキシコに持ち込む金額は、4,942.18メキシコペソ(米ドルで支払うなら、258ドル)でした。クレジットカードで支払いました。
この金額にはデポジットも含まれていて、メキシコ出国後に一部(3,814メキシコペソ)は返金されます。デポジット返金の条件として、「決められた期限までに車の登録をキャンセル(つまりメキシコを出国)すること」と念を押されました。なお、デポジットの金額には幅があり、車によって異なります。
駐車場に戻り、オフィスで受け取ったステッカーを車のフロントガラスに貼ります。このステッカーが、「違法に持ち込んだ車ではないよ」「手続きは済んでいるよ」という証になります。
アメリカ出国からメキシコ入国|所要時間
10月の平日、午前8時半にアメリカ-メキシコ間の橋を渡り、メキシコ側で車のステッカーを受け取るまで、1時間強でした。
混雑している箇所はまったくなく、待たされることもありませんでした。