「アメリカ国立公園来場者数ランキング」や「アメリカ国立公園人気ランキング」で、常に上位のYosemite National Park(ヨセミテ国立公園)。
ヨセミテ国立公園の最大の特徴は、その自然の豊かさです。緑が多く、真夏でも快適に過ごすことができます。キャンプや車中泊にも適した環境で、1週間以上の長期滞在者もたくさんいます。
ヨセミテ国立公園には四季があり、紅葉や雪景色も美しい場所です。1年を通してさまざまなアクティビティ(トレッキング、乗馬、サイクリング、ラフティングなど)を楽しむことができます。リピーターが多いのも特徴です。
〈この記事でわかること〉
- ヨセミテ国立公園のおすすめ観光スポット
- ヨセミテ国立公園観光のコツ
- ヨセミテ国立公園を訪れる前に知っておきたいこと
ヨセミテ国立公園の観光地図リンク
ヨセミテ国立公園の観光スポット・絶景ポイント
ヨセミテ国立公園の「ここだけは押さえておきたい!」という代表的な場所をまとめました。ここで紹介するスポットはすべて、車か園内シャトルバスで簡単にアクセスできます。長距離トレッキングやツアー参加などは不要です。
Glacier Point(グレイシャー・ポイント)
Glacier Point(グレイシャー・ポイント)に立つと、Yosemite Valley(ヨセミテ渓谷)、Half Dome(ハーフドーム)、Yosemite Falls(ヨセミテ滝)などを一望できます。ヨセミテ国立公園のハイライトともいうべき光景です。
中でもHalf Dome(ハーフドーム)は、「ヨセミテ国立公園に来て、これを見ずに帰る人はいないのでは?」と思うほど有名です。

その名のとおり、ドームを縦方向に真っ二つに割ったような形をしています。
有名アウトドア用品ブランドTHE NORTH FACEのロゴに使われています。
ハーフドームは、標高2,693メートルと巨大です。ヨセミテ国立公園内のさまざまな場所から目にすることができます。それでも、グレイシャー・ポイントからの眺めは格別です。その理由として、グレイシャー・ポイントの標高が2,199メートルもあることが挙げられます。ハーフドームを見上げる必要がなく、文字通り”目の前に”見ることができます。迫力満点です。
グレイシャー・ポイントを訪れる一番人気の時間帯は夕方です。太陽が傾くにつれて、ハーフドームやその周りの岩が赤く染まります。

グレイシャー・ポイントへは、Glacier Point Roadという道を運転して向かいます。
※冬季(11〜5月)は、雪のためGlacier Point Road封鎖(ドライブ不可)
グレイシャー・ポイントの駐車スペースから絶景ポイントまでは、簡単に歩くことができます。よく整備されています。
この絶景をもっと楽しみたい方には、Glacier Point(グレイシャー・ポイント)とYosemite Valley(ヨセミテ渓谷)をつなぐトレイルもあります。Panorama Trail(パノラマ・トレイル)という名前です。公式サイトによると片道6〜8時間という長距離で、高低差も大きいため、それなりの体力と準備が必要です。
ちなみに、ハーフドームを歩いて登ることもできますが、決して簡単ではありません。いろいろな意味で…。
まず、往復25キロの距離を歩く体力が必要です。時間にして、10〜12時間の道のりです。ロッククライミングの要素はありませんが、最後にハシゴを登る部分があります。ビジターセンターでレンジャー(自然保護官)にトレイルの詳細を聞きましたが、「高所恐怖症ならおすすめしない」とのことです。
そして、ハーフドームに登るには、事前予約必須です。結構人気なので、1週間先まで空きがないこともあります。
El Capitan(エル・キャピタン)
El Capitan(エル・キャピタン)は、ヨセミテ国立公園の西側(サンフランシスコ方面)からYosemite Valley(ヨセミテ渓谷)に入ると、左手側に現れる巨大な一枚岩です。

標高2,307メートルもある世界最大級の花崗岩です。
ヨセミテ国立公園はロッククライミングのメッカとしても有名です。その中でも、このエル・キャピタンにあるThe Noseは、世界中のロッククライマーあこがれのルートです。
ヨセミテ国立公園滞在中に、エル・キャピタンをはじめとする岩の表面に注目してみると、ロッククライマーの姿を見ることができます。
Tunnel View(トンネルビュー)
Tunnel View(トンネルビュー)は、グレイシャー・ポイントと並ぶ、ヨセミテ国立公園の有名写真スポットです。プロの写真家も訪れます。

巨大岩の立ち並ぶヨセミテ国立公園らしい景色が広がります。遠くにハーフドームも見ることができます。
車を停める場所が確保されており、ビューポイントには柵もあります。落ち着いて、安全に写真を撮ることができるため、記念写真を撮るのにも人気の場所です。
ヨセミテ国立公園の人気トレイル
ヨセミテ国立公園の中にはたくさんのトレイルがあります。雄大な景色を満喫できるコースばかりです。軽装&短時間で歩けるトレイルもありますが、きちんとした装備が必要なコースもあります。
各トレイルの詳細や最新情報は、ヨセミテ国立公園公式サイトか、現地ビジターセンターにて。
Vernal Fall and Nevada Fall Trails(バーナル滝とネバダ滝)
Vernal Fall(バーナル滝)とNevada Fall(ネバダ滝)に近づけるだけでなく、ヨセミテ国立公園の壮大な景色を見ることができる大人気のトレイルです。
わたしは、
Happy Isles→Vernal Fall→Nevada Fall→Clark Point→Happy Isles
の順に歩きました。4時間半ほどの道のりでした。


Mist Trail(ミスト・トレイル)という名前の通り、滝からの水しぶき(ミスト)が、トレイルに届く箇所があります。特に春先は、滝の水量が増えるため迫力が増すそうです。


高低差が600メートル以上あるので、登りが続く部分では、結構体力を使います。水と軽食をしっかり準備して出発しました。
トレイルはよく整備されているので、特に高いトレッキング技術は必要ありません。トレッキングシューズがあると安心ですが、スニーカーでも問題ないです。

「日本ならきっとここに柵が設置されるんだろうな」という場所に柵やロープがないので、足元には要注意です。季節や風向きによっては、滝の水がトレイルにかかり、すべりやすくなっています。
このトレイルは、Happy Islesから始まり、再び同じ場所に戻ってきます。車でアクセスする場合、Trailhead Parkingという駐車場が最寄りですが、夏季はすぐ満車になります。空いている駐車場に車を停めてから、園内シャトルバスでアクセスする方法もあります。

Vernal Fall and Nevada Fall Trails
スタート地点&ゴール地点:Happy Isles(shuttle stop #16)
ルート:往復(一部ループ状)
距離:約13km(往復)
高低差:約650m
総所要時間:4〜5時間
難易度:中〜高
駐車場:あり(無料)
ヨセミテ国立公園のお役立ちスポット
Yosemite Valley Visitor Center and Theater(ビジターセンター)
観光の中心であるYosemite Valley(ヨセミテ渓谷)の中にあるビジターセンターです。
ヨセミテ国立公園の気候や地形、生息する動物などの知識を得ることができます。最新の天気予報や、その日のトレイルの状況など、アクティビティには欠かせない情報も分かります。
ただし、夏季のビジターセンターは大変混雑します。事前に公式サイトから園内マップをダウンロードしたり、挑戦するトレイルの目星をつけたりしておくのがおすすめです。
ヨセミテ国立公園の基本情報
名称
Yosemite National Park(ヨセミテ国立公園)
場所
アメリカ合衆国
カリフォルニア州
アクセス
San Francisco(サンフランシスコ)から:車で約3時間半

Los Angeles(ロサンゼルス)から:車で約4時間半
Las Vegas(ラスベガス)から:車で約7時間
Death Valley National Park(デスバレー国立公園)から:車で約5時間半
園内のまわり方
自家用車かレンタカーでまわる人がほとんどです。園内の主要観光スポット周辺には駐車スペースもあります(無料)。路肩に駐車できるエリアもあります(無料)。

夏季の週末や、アメリカの祝日などは、大変混雑するので、駐車スペースを探すのに苦労します。その場合は、Yosemite Valley(ヨセミテ渓谷)の中にある駐車場のいずれかに車を停めて、あとはシャトルバスや徒歩で周辺を観光するほうが効率的です。
Yosemite Valley(ヨセミテ渓谷)内の道路は、一方通行なので、運転には気をつけてください。
園内の宿泊施設は、大変人気があり、特に夏季の予約はすぐに埋まります。そのため、キャンプや車中泊ができると自由度が高くなります。
園内のレストランも混雑しやすく、長い待ち時間が発生することも珍しくありません。ヨセミテ国立公園を効率よく観光するには、
- 園内レストランを利用せずに済むよう、事前にサンドイッチやクッキーなどの軽食を用意しておく
- 園内レストランを利用する場合は、ピーク時(正午前後)を外す
などの工夫が必要です。
入園料
- 車(ツアーなど商用のものを除く、7日間有効):35ドル/1台
- オートバイ(7日間有効):30ドル
- 個人(徒歩や自転車での入園、7日間有効):20ドル
- アメリカ国立公園年間パス:80ドル/1台

開園時間
基本的に、1年中24時間オープン
※Hetch Hetchy Entrance Stationは夜間通行不可
※冬季は、天候(主に雪)による通行止めエリアあり
気候とベストシーズン
1年を通して楽しめる国立公園ですが、人気の時期は6〜11月です。
Yosemite Fall, Vernal Fall, Nevada Fallなどの滝の水量が増すのは春です。迫力満点の滝を見たい場合は、4〜6月がおすすめです。
夏は、トレッキングやクライミング、ラフティングなどのアクティビティを楽しめます。キャンプや車中泊にも適した気候で、長期滞在者も増えます。

秋も引き続き、園内でのアクティビティが人気です。四季のあるヨセミテ国立公園では紅葉を見ることができます。

冬季(11〜5月)は、雪のためGlacier Point Roadなどの道が封鎖されます。車でグレイシャー・ポイントに向かうことはできません。また、冬季はチェーン規制が行われることがあります。チェーンの装着が義務化される時期だと、チェーンなしでは入園もできません。
滞在日数
1週間以上滞在する人も珍しくありません。
園内の主要箇所のみを車でまわるのであれば、半日ほどあれば足りると思います。
参考サイト
【参考】筆者が現地を訪れた時期と滞在期間
- 滞在時期:2016年7月下旬、2018年10月上旬
- 滞在期間:2016年は丸1日、2018年は園内で1泊
- 当記事の情報は、基本的に滞在時点のものです。後日変更に気がついた場合は、都度修正していますが、最新情報は公式サイトなどをご確認ください。